final x DITA: SHICHIKU.KANGEN

SHICHIKU.KANGEN: An Introduction

SHICHIKU.KANGENは細部にまでこだわった製品を求めるオーディオファンに、見た目も音質もじっくり味わっていただけるように設計しました

SHICHIKU.KANGEN(SK)は、日本のオーディオ会社finalとシンガポールのDITA Audioが共同開発したIEM製品です。ベリリウムドライバーを搭載し、OSLOケーブル GEN.SKを使用したSHICHIKU.KANGENは、両社が一からチューニングを行い、目と耳の両方で、これまでにないオーディオ体験を楽しめる製品になっています。

SKのシェルに施された繊細な金色の麻葉模様は、中国を起源とし、日本で発展した漆の技法である「沈金」によって生み出されたものです。機械で彫りを入れたのち、手塗りで仕上げをしています。

デザイナー、エンジニア、漆職人の手を経て、1つ1つのシェルが完成します。新旧の技術を織り交ぜながら、SKに生命を吹き込んでいます。

ETYMOLOGY

糸竹管弦は、中国語をルーツとする四字熟語で、音楽と楽器の総称として使われています。

糸(し)、弦(げん)。

糸や弦を振動させて音を出す楽器のこと。

竹(ちく); 管(かん)

竹や筒の中の空気の振動で音を出す楽器のこと。

SOUND NOTES

final×DITAの「SHICHIKU.KANGEN」は、ジャンルを問わず、まるで生演奏のような、生き生きとした音を目指して設計されています。

SKは、使い込むほどに味わい深くなる、楽器のような存在です。

楽器と同じように、使い込むほどに馴染み、長く愛用できるイヤホンであってほしいと願っています。

BACKGROUND

2015年、DITAがfinalの東南アジア総代理店となり、両社の関係がスタートしました。両者ともに「音作りにこだわり、ダイナミックドライバーの開発を自社で手掛けているところ」や「素材にもこだわりが強く、その加工方法までも自社で開発するところ」など、ブランドとしての共通点が多く、自然とお互いの製品やチーム同士に強い敬意と信頼感が生まれました

そうしたことから、単なる代理店としての関係を超えた深い関係が築かれていきました。

その後、finalはDITAの日本総代理店となり、2019年の初めに両社のフラッグシップイヤホンA8000(final)とDreamXLS(DITA)のプロトタイプが完成。

両社の社長であるダニー氏と細尾氏は意気投合し、互いに会話を交わす中で両ブランドの技術や経験を結集してイヤホンを開発できないかという話に至りました。

2019年の初めに両社のフラッグシップイヤホンA8000(final)とDreamXLS(DITA)のプロトタイプが完成。これを双方のエンジニアがお互いに相手の製品を高く評価をしたことから、本製品「SHICHIKU.KANGEN-糸竹管弦-」のプロジェクトが始まりました。

DRIVER

新ドライバー「トゥルーベリリウムドライバーGen.SK」は、徹底したこだわりとディテールで開発されました。このドライバーは、SHICHIKU.KANGENのサウンドシグネチャーに、鮮やかで生き生きとした音、美しい表現力、優れたトランジェントレスポンスを付与します。

また、歪みのない豊かな低域を実現するために、両社はボイスコイルを振動板に取り付ける新方式を開発しました。

これは、カスタマイズした治具の設計と新しい接着方法が必要ですが、親会社であるDITAのプラスチックや樹脂の専門知識を活かすことで開発することが可能になりました。ボイスコイルが振動板を駆動する際、音の特徴にほとんど影響を与えないようにすることができます。

この技術によりこれまでに無い音のまとまりを体感していただけるようになりました。

SHICHIKU.KANGENは、極薄のベリリウム箔を用いた振動板を採用しています。

ベリリウムは軽くて剛性が高いため、他の振動板素材よりも優位性があり、解像度が高く、迫力のあるサウンドを実現します。

ベリリウムは比重が1.85、音の伝搬速度が12,900m/sとダイヤモンドに次いで速く、振動板材料として理想的な特性を持っています。

純ベリリウムドライバーは、まだイヤホンの素材としてあまり一般的ではありません。その理由のひとつとして、薄い純ベリリウム箔を作るのが非常に難しいというのが挙げられます。非常に脆い性質のあるベリリウムは加工が難しく、適切に加工しないと簡単に割れてしまうためです。

このような特性から、ベリリウムには厳格で実践的な工程管理が要求されます。質の低い工具や手入れの行き届かない機械は、素材にストレスを与えて破損する危険性があり、ベリリウムダイアフラムの製造は、メーカーにとって厳しい品質テストとなっています。

通常、ベリリウム振動板は樹脂フィルムにベリリウムの薄膜を真空蒸着することで作られます。これは改善策として有効ではありますが樹脂フィルムの特性が残ってしまいます。

ですが振動板の音を出す部分の素材に純ベリリウムだけを使うと、音も特性も全く異なり、ベリリウムの持つクリーンで俊敏な特質が発揮されるようになります。

THE OSLO CABLE GEN.SK

DITA Audioは創業以来、すべての製品に高品質な特注ケーブルを使用することを重視しており、Van Den Hulと共同開発したTruthケーブルや、接点強化液のボトルに付属するOSLOオイル漬け銅ケーブルもその一つです。

これは、ルームアコースティックのないパーソナルオーディオでは、音質の違いがより明確になるため、ケーブルの重要性がより一層高まるという考えによるものです。SHICHIKU.KANGENに採用された共同開発OSLOは、今回も製品の性能を高めるために特別に処方されたものです。

30種類以上の構成を試行錯誤し、製品の性能を十分に引き出せるOSLOケーブルにたどり着きました。

OSLO Cable GEN SKは、イヤホン側にMMCXコネクタを装備し、2.5mmバランス、3.5mmシングルエンド、4.4mmバランスプラグに交換可能です。SPECIFICATIONS

製品名
糸竹管弦

筐体
ステンレス

ドライバー
ダイナミック型(トゥルーベリリウムドライバー Gen.SK)

コネクター
MMCX

ケーブル
OSLOケーブル Gen.SK

感度
99dB/mw

インピーダンス
16Ω

重量
47g

ACCESSORIES

SHICHKU.KANGENには、制作の裏側やSKのサウンド哲学の解説、両ブランドの逸話を追加した書籍が同梱されています。

また、交換可能な2.5mm-バランス、3.5mmシングルエンド、4.4mmバランスプラグが付属しています。

  • final Audio Type Eイヤーチップ 5サイズ
  • MMCXアシスト(ブラック)
  • ハードレザーケース
  • 交換可能なダストフィルター、フィルターステッカー

About DITA 

DITA Audioは、「極上のオーディオ体験はこだわり抜いた製品から生まれるという信念の元、細部まで妥協をしない、徹底したモノづくりをしています。

DITAは、オーディオという領域を超え、強い情熱と好奇心を持ったパートナーやお客様と共に、完璧なデザインを追求していきたいと考えています。その実現のために、デザイン、エンジニアリング、製造の各分野で、共同事業を推進しています。

About final Audio

1970年代に設立されたファイナル社は、高級オーディオ用のイヤホンやヘッドホンを販売しています。機械式腕時計と同じように、人間が使い続けられるイヤホン・ヘッドホンを開発し、将来アンティークとして評価されるような製品を目指して、さまざまな最先端技術を積極的に導入してきました。

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